新大関栃ノ心(30=春日野)が連日の屈辱を味わった。5日、愛知・春日井市に宿舎を構える同部屋で朝稽古を行った。元関脇栃煌山(31)との三番稽古は7勝9敗。前日4日は先輩大関の豪栄道に11戦全敗を食らい、この日も16番で得意の右四つで万全の形にもっていけたのは1番だけだけで、思うに任せぬいら立ちから「あーっ!」と声をあらげることもあった。

 「苦しいね。昨日は豪栄道関に全く勝てなかったし…。勝てないから悲しいよ。オレが弱いのか、栃煌山関が調子いいのか…」。どちらかと言えば腰高の栃ノ心には、立ち合いで低く来る豪栄道、栃煌山はやりづらい相手だ。また栃煌山は同じ部屋だけに、自分の取り口を知り抜いており、どうしても“気持ちよく”とらせてもらえない。

 名古屋場所初日を3日後に控え、稽古とはいえ「結果」が出ないのはつらい。「でも、ダメだダメだと思ってたら、気持ちがダメになるからね。それが1番ダメ。強い気持ちでやらないとね」と切り替えの必要性を強調した。