大相撲の貴乃花親方(元横綱=46)が21日午前、夏巡業が行われた秋田県立体育館で倒れて、秋田市内の病院に救急搬送された。若手力士への指導中に体調が悪化したようで、10時11分に「けいれんを発症して意識がない」と消防局に通報があった。日本相撲協会関係者らによると、同15分に救急車が到着した際には意識は戻っており、搬送された病院では駆けつけた関係者と会話もしているという。

 日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は貴乃花親方について、意識ははっきりしており、検査のために同市内の病院に入院することを明らかにした。26日までの巡業の残りは休場する。

 芝田山部長は病名を含め、詳しい状況は不明とした上で「会話はできるということだ。集中治療室に入ったとかではない。また連絡を取り合っていく」と説明した。

 7月26日に始まった今巡業に、貴乃花親方は審判として同行していた。土俵下で朝稽古を見守るのはもちろん、自分の部屋の弟子らを土俵下や会場外で熱心に指導する姿も頻繁に見られた。各巡業先での観客からの人気も高く、サインや声かけにはなるべく応じるなど精力的だった。直前の18、19日は北海道で巡業が行われ、この日との最高気温差は約10度あり、心身共に負荷が強くかかったと思われる。巡業に参加している相撲協会関係者によると、倒れる前は特に変わった様子はなかったという。