トーナメントで争われる第77回全日本力士選士権が1日、東京・両国国技館で開かれ決勝で平幕の阿武咲(22=阿武松)が、3連覇を狙った横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)を押し出しで破り初優勝した。直前の場所で平幕だった力士の優勝は65回大会の安馬(のち横綱日馬富士)以来4人目。

師匠の阿武松審判部長(元関脇益荒雄)から優勝の表彰状を授与された阿武咲は「(今年夏場所の)十両優勝に続いて2回目。緊張しました」と笑った。4勝11敗に終わった秋場所の鬱憤(うっぷん)を晴らしたが「決勝が稀勢関で特別な思いだった。でも(好成績は)本場所でないと意味がない」とも。助言を受けてきた貴乃花親方の退職には「いい相撲を取るのが一番の恩返し」と話した。