日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で理事会を開き、九州場所前に車を運転して事故を起こした元幕下神嶽(24)の監督責任として、師匠の大嶽親方(元十両大竜)に減給処分を課した。処分内容は12月から6カ月、20%の減給。

弁明のため理事会に呼ばれた大嶽親方は「寛大な処分をいただいた。ご迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪した。今回の処分を発表した芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「半年というのは重い処分だと思う」と話した。今年1月には大嶽部屋に所属していた元前頭の大砂嵐(26)が、無免許運転で衝突事故を起こすなどして、協会から引退勧告を受けて3月に引退。部屋内ではここ1年間で2度目の不祥事だけに、理事会の中で八角理事長(元横綱北勝海)から直々に「今後部屋での運営、指導をしっかりしてください」と注意を受けた。

事故を起こした神嶽は、28日までに引退届が協会に受理されているため、本人に対する処分は出なかった。荷物は都内の部屋内に残されており、大嶽親方は「もう本人の自由ですから」と、今後の退去については一任した。

神嶽は九州場所2日前の9日午前2時ごろ、九州場所宿舎近くの福岡市東区志賀島で、酒気を帯びた状態で軽トラックを運転しガードレールに衝突した疑いなどで15日に書類送検された。道交法違反(事故不申告)の罪で略式起訴され、既に福岡簡裁から罰金2万円の略式命令を受けて全額納付している。