大相撲の横綱白鵬(33=宮城野)が4日、春場所(10日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けた最初の出稽古先に時津風部屋を選んだ。

時津風部屋の前頭正代と豊山、同じく出稽古に来ていた伊勢ケ浜部屋の前頭宝富士と、それぞれ5番ずつ計15番取って全勝。最初の宝富士には、あえて相手得意の左四つに組みながらも、一気に寄り切る取り口が目立ち、豊山は本来の右四つで寄せ付けず、最後の正代には、もろ差しまで許しながらも危なげなく勝ちきった。内容も番数も、本場所の15戦全勝を想定したような出稽古初日となった。

稽古前には、今場所から幕内に復帰した豊ノ島に、自身の稽古内容を確認してもらうように頼んだ。稽古後は身ぶり手ぶりを交え、豊ノ島が感じたことに耳を傾け、しばらく2人で話し込んでいた。3年ぶりの春場所皆勤、さらには42度目の優勝へ、本気度の高さを示すように、引き揚げる際には報道陣の質問には実質的に回答せず、自らを鼓舞するように「オーッし」とだけ言葉を発していた。