日本相撲協会は29日、名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開いた。

新十両昇進が発表された竜虎(りゅうこう、20=尾上)は、東京・大田区の部屋で師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)同席で会見。26日まで行われた夏場所は、東幕下4枚目で6勝1敗の好成績で終え、昇進は確実視されていたが「うれしいのと、安心したので、こみ上げてくるものがあった」。実際に昇進したという連絡を受けて、喜びと実感がわいてきたという。

熊本県出身で、中学3年時には全国中学校選手権、全国都道府県選手権に加え、まだ大会の歴史は浅いとはいえ白鵬杯でも優勝し、史上唯一の中学3冠に輝いた逸材だ。しかも父川上昌史さん(52=水産業)は、尾上親方の兄で、2人の弟は文徳高2年の竜昌さん、鶴城中3年の竜弥さんともに相撲に打ち込む相撲一家。さらに1歳下の妹聖加さんもプロゴルファーを目指しているという、スポーツ一家でもある。尾上親方は「小さい時から見ているからね。やっとスタートラインに立てた。ちょっとは兄貴夫妻に顔向けできるのかな。この世界に入ってきてくれてありがたい」と、感慨深い様子で語った。これを受けて竜虎は「この世界に入ってきてよかった。周りから応援される、会場を沸かせられる相撲を取っていきたい」と力を込めた。

これまで各段優勝の経験はないが「新十両優勝を目指して頑張りたい」と、力強く話す。さらに「最初は十両に上がることが目標だった。次は幕内に上がることを目標にしたい」と続けた。得意の形も模索中という未完の逸材は、終始目を輝かせていた。