大相撲初場所限りで引退した元大関豪栄道の武隈親方が28日、出身の大阪・寝屋川市内で行われた市民栄誉賞授与式に出席した。

同市が市民栄誉賞を贈るのは初めてで「第1号」となった武隈親方は「僕なんかでいいのかなとも思うが、素直にうれしい」と笑みをこぼした。

武隈親方は13年10月、同市のふるさと大使に就任。全勝優勝を達成した16年秋場所後に同市内で実施された優勝祝賀パレードでは約2万2000人が集まるなど、寝屋川のヒーロー的存在だった。親方として初めて故郷に戻り「現役のときは寝屋川に戻るとプレッシャーも感じたが、今は何もないですね」と冗談っぽく話し、市の職員、報道陣らの爆笑を誘った。一方で「自分の生まれ育った町。そこでかけられる言葉は、現役時代はすごく力になった」と、感謝の言葉を口にした。

現在は部屋付き親方として後進の指導に当たっている。「我慢強くて男らしい力士を育てたい。横綱を育てられれば最高」と鼻息を荒くした。

親方として初めて迎える春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)だが、コロナウイルスの感染拡大により、開催の是非が検討されている。境川部屋でも一般客の稽古見学を断っているという。現役力士のモチベーション維持が心配される中、武隈親方は「気の毒に感じる」と話しながら「僕も(11年5月の)技量審査場所を経験しているけど、場所前はしっかり稽古した(成績は東前頭筆頭で11勝4敗)。そこで言い訳をするのは話にならないと思う」と、きっぱり語った。