大相撲の人気小兵、東前頭6枚目炎鵬(25=宮城野)が7日、自粛期間中に初代貴ノ花の粘り腰に感銘を受けたことを明かした。

代表取材に応じ「(相撲が取れない期間で)相撲の知識がついた。動画で勉強してそれをイメージしたことを稽古で出してみるという感じ」と、約2週間前から再開した相撲を取る稽古で実践しているという。特に印象に残ったのは初代貴ノ花。「足腰の強さは本当にすごい。独学なので正解が分からないが、まねしてやってみたりしている。相撲の取り口は全然違いますけど、足腰が生命線なので足腰の強さを見習うところはあります」。他にも元関脇鷲羽山(先代出羽海親方)や元関脇琴錦(現朝日山親方)の動画を参考にしていることを明かした。

7月場所(19日初日、東京・両国国技館)に向けて、出稽古はできないが「部屋でやれることをやれればと思っている」と淡々としていた。稽古では下半身に重点を置いたトレーニングで、瞬発力を意識。「体はほぼほぼ良くなってきた。あとはそれをどう自信につなげていくか」と仕上がりは順調だ。

無観客開催で困惑した春場所では5場所ぶりに負け越した。「1回先場所大阪で経験したので自分の気持ちの作り方はもうしっかり学習済みというか、イメージはできていると思います。(無観客で)もちろん寂しさはありますが、それは同じ状況でそれは仕方ないことなので。どんな環境でも自分の力を発揮できるようにイメージしてやっています」。経験を生かして、静寂の土俵に臨む。

兄弟子の横綱白鵬には「根性的なところを鍛えてもらっています」と、厳しい稽古で追い込んでもらっているようだ。七夕に、部屋で短冊に「何事もないように」と願いごとを書いた。7月場所の目標は「15日間けがなく取ること」。169センチ、98キロの体で熱戦を繰り広げる25歳は、幕内2年目の1年に向けて平穏を祈った。【佐藤礼征】