大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)は両横綱休場で37年ぶりの異例の事態となった。日本相撲協会審判部は11日、両国国技館で秋場所の取組編成会議を開き、初日と2日目の取組を決めた。白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の両横綱はともに休場。2人以上の横綱全員が初日から不在となるのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では83年夏場所の千代の富士、北の湖以来となった。

鶴竜の休場理由は途中休場した7月場所と同じく、右肘の状態が回復しなかったため。直前まで調整を重ねたが、相撲を取る段階には至らなかった。この1年間の6場所では5度目の休場となる。鶴竜の師匠、陸奥親方(元大関霧島)は「完全に100%良くなることはない。(来場所は)進退懸けてやらなきゃいけない。ダメだったらいろいろ考える部分もあると思う」と、横綱として背水の陣にあるという認識を示した。

白鵬は師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)によると「まだそんきょもできない」ほど調整が遅れていた。診断は「右膝蓋(しつがい)大腿(だいたい)靱帯(じんたい)損傷と関節内巨細胞腫」で約3週間のリハビリを要する見込み。白鵬は8月13日に内視鏡手術を受け、良性の腫瘍を除去したという。同親方は「お医者さんがびっくりするくらい悪かった」と状態の深刻さを強調した。