虎の横綱になる! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)と大相撲の徳勝龍(34=木瀬)が、新春の「仮想対談」を行った。近大の先輩徳勝龍は、大の阪神ファンで、黄金ルーキーにプロの世界で生き抜く秘訣(ひけつ)を伝授。期待に応えるべく佐藤輝も、1年目から大暴れを誓った。【取材・構成=実藤健一、只松憲】

   ◇   ◇   ◇

徳勝龍は生まれた瞬間から阪神ファンだった。「両親がすごいファンだったんで」。特に父順次さんはファンクラブに入会するほど熱狂的。その父に連れられ、甲子園球場にもよく通った。好きだった選手は亀山。「背番号00がめちゃかっこいいと思ってました」。

少年野球で「ホームランか三振」という強打の捕手だった。同時に地元の相撲クラブにも通った。将来は野球か相撲か。「野球は好きだったが自信がなかった。走れない。何をやったら一番いいかが相撲だった」。その視点は玄人で初場所優勝後、キャンプも始まる前から高卒ルーキー井上の長距離砲の資質を見抜き、イチ押ししていた。

近大の先輩、阪神の“男前”藤井バッテリーコーチとは共通の知人を介して知り合い、たまに食事に行く仲という。初場所の初優勝後、お祝いに藤井コーチから現役時代に使用したキャッチャーミットをプレゼントされた。そのミットを手に甲子園で「受球式」は現実的な夢だ。【実藤健一】

◆徳勝龍誠(とくしょうりゅう・まこと) 本名・青木誠。1986年(昭61)8月22日、奈良市生まれで育ちは橿原市。家族は千恵夫人。3歳から柔道、小学2年から野球を始め、相撲は4年から。少年野球は4番捕手で6年時に橿原市の大会で優勝。父順次さん、母えみ子さんも生粋の阪神ファン。明徳義塾高-近大から木瀬部屋へ。09年初場所、前相撲から初土俵。11年九州場所新十両、13年名古屋場所新入幕。20年初場所、幕尻で14勝1敗の初優勝。最高位は西前頭2枚目。183センチ、192キロ。得意は突き、押し。