大相撲の人気業師で平幕の宇良(29=木瀬)が、幕内に返り咲いた1年間を振り返り、今年を漢字1文字で「戻」と表した。

11日、都内の部屋での稽古後に代表取材に応じた。初場所は東十両10枚目で始まったが、九州場所は東前頭7枚目で10勝。約4年ぶりの横綱戦も経験し「悪いこと続いていたので、今年はいい思いをさせてもらったなという運的な要素でしか思っていない。十両優勝も技能賞も狙っていたわけじゃなくて、1日1日過ごしてついてきたもの。そこは運が味方した」と謙虚に話した。

幕内上位で戦う来年1月の初場所(9日初日、東京・両国国技館)に向けて、この日は幕下相手に計8番相撲を取って調整した。「安定して勝っていくにはもっと地力をつけないと。気付いたら普通に大負けしていたりとか、普通にあり得ること。周りも盛り上がって三役とか言われちゃいますけど、自分自身は自分で分析するに、そんな力はない。幕内の中盤で安定しているな、という力は欲しい。そこの安定を目指したい」と誓った。

場所後の1週間は通常稽古を休むが、ストイックに体を鍛えてきた。「場所中にそこまで体は動かしていないので余力は残っている。だからこそ場所休み1週間、休む必要はない。1週間も休んだらもったいない。自由に過ごせる時間なので大丈夫」。新年最初の場所へ士気は高まっている。