日本相撲協会は29日、大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、豊昇龍(23=立浪)が新関脇に昇進した。豊昇龍は都内の部屋で会見を行い「コロナで休場も多かったしどうなるかなと。多分、上がらないと思っていた。信じられませんけど本当にうれしいです」と心境を語った。

小結で臨んだ7月の名古屋場所で9勝6敗としていた。ともに小結だった3月の春場所、5月の夏場所でも8勝と勝ち越していたが番付運に恵まれず、三度目の正直で新関脇に昇進。名古屋場所では右足負傷により、師匠の立浪親方(元小結旭豊)から「休場してもいいんだから。まだ若いんだから」と休場を勧められたという。しかし「情けないところをみせたくなかった。モンゴルで応援している家族もいるので」と奮起。1勝4敗と苦しんだ序盤戦から見事に9勝して新関脇を手にした。

新関脇に昇進したことで、対戦相手はこれまでの場所とさほど変わらずも、対戦順番は変わる。関脇は横綱、大関とは本場所の後半戦に対戦することが多く「それが楽しみですね」とニヤリ。初優勝を狙う23歳は「逸ノ城関が優勝したのを見て、何で僕は出来ないんだろうと。ちょっと悔しい気持ちもあった」と闘志を燃やした。

順調に番付を上げてきたが「目標はやっぱりてっぺん。それに向けてやっていくだけ」と初優勝はもちろん、さらに上の番付も見据えた。おじの元横綱朝青龍には、これから連絡をするという。おじと同じ横綱まではあと2つだが「比べるのはまだ早い。おじさんはすごい人なので」と浮かれず。秋場所の目標を問われると「目標は自分の中にあるけどまだ口にしたくはない。やってみせるだけです」と土俵の上で語る。