大相撲の大関貴景勝(26=常盤山)が6日、所属する東京・常盤山部屋の稽古に参加し、同部屋の平幕隆の勝との三番稽古で13勝2敗と貫禄を見せた。

5日後から始まる秋場所(11日初日、東京・両国国技館)に向けて順調さをうかがわせる。先場所11勝4敗と優勝次点だっただけに、今場所で自身3度目の賜杯獲得へ気合がみなぎっていた。また、三段目4人の申し合い稽古の時には自ら大きな声を張り上げ熱血指導を行う場面もあり、部屋頭としての責務も担っていた。

秋場所の思い出について貴景勝は「初金星かな。(当時横綱の)日馬富士関に勝つことができてうれしかったですね」と西前頭5枚目にいた17年同場所10日目の一戦を挙げた。

続けて「その前の場所で初めて対戦した時に体感で一番強いと思った人だった。誰よりも強いなと思ったので、そういう人にたまたまでも勝てたっていうのは励みになりましたね」となつかしそうに語った。

優勝をあと一歩で逃した名古屋場所について「準優勝が自分の中で多くて1個星が足りないっていう。先場所に関しては前半戦がちょっと良くなかった。後半にかけて上がってきてくれたんだけど、前半戦の負けが全て」。4日目を終えて2勝2敗にいたことを反省点に挙げ、長丁場の15日間同じ気持ちで臨むことの難しさを指摘した。

その上で「やはり人間なので15日間あると、この日なんかぽけっとしていたなとかというのは昔はあった。そういう自分が情けなかった」と本音を吐露。今では「毎日が初日、毎日が千秋楽と思って、とにかく目の前の一番、きょうはこれをやり切るという気持ちでしか相撲を取っていない」と変化を語る。

思い出深い秋場所で目の前の一番に集中力を欠かさず、千秋楽まで奮闘する。