角界と宇宙の異色のコラボが実現した。日本相撲協会が15日、東京・両国国技館で全協会員を対象とした研修会を開き、元宇宙飛行士の野口聡一氏ら3人の講師が登場した。野口氏が「宇宙の魅力と宇宙飛行士になること」と題して講演を行った。幅広い視点を持ってもらおうという狙いで招かれ、協会員約900人が耳を傾けた。
1996年に野口氏は宇宙飛行士選抜試験に合格し、国際宇宙ステーション(ISS)に約5カ月間の長期滞在するなど3度の宇宙飛行を経験した。昨年6月1日付で「後進に道を譲りたい」とJAXAを退職することを発表し、26年間の宇宙飛行士人生に別れを告げた。現在は東大特任教授などを務めている。
この日の講演を聴いた芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、野口氏は厳しい選考をくぐり抜けていざ宇宙飛行士になった後も、実際に宇宙に行けるまでには大体10~12年間かかることを報告。晴れて宇宙飛行士として活動した際には周りの支えがあってこそ自分がいることをより一層実感するという話もあった。芝田山広報部長は「同じように相撲協会もたくさんの人たちの支えがあって成り立っている。(力士たちの多くが)真剣なまなざしで聞いていた」と振り返った。
このほか、警視庁生活安全部保安課管理官の佐藤孝徳氏が「違法賭博事件の取り締まりについて」と題して講演したり、同協会コンプライアンス委員長の青沼隆之氏が「暴力を根絶させるために必要なこと」題して講演した。会の冒頭で八角理事長(元横綱北勝海)から「コロナで3年間、厳しい感染対策の中で、協会員一同よく辛抱してくれた。本場所も徐々に元に戻ってきて、巡業も少しずつ始まってきた。親方衆がいろいろな施策をして努力している。賭博や暴力は人ごとではない。いろんな規定をちゃんと守ることが、自分自身を守ることにつながる」とのあいさつもあったという。【平山連】

