優勝争いにも、昇進にも絡まないけど、これぞ結びの一番! の熱戦が館内を沸かせた。

結びの一番は、新大関の霧島(27=陸奥)と、東前頭3枚目の翠富士(26=伊勢ケ浜)との対戦。霧島は途中出場でここまで2勝3敗2休で、翠富士は1勝6敗と精彩を欠いていた。その前の3番は、大関とりの3関脇がいずれも勝って迎えた結びの一番。右四つで潜り込んだ翠富士に対し、霧島は左から抱えて応戦した。打開しようと左から小手投げで振り、右はのど輪で押し込もうとした霧島だが、ここをしのいだ翠富士が再び、頭をつけて右差しの体勢を取った。

両者の動きが止まった時、立行司の式守伊之助が、まわし待った。両者を静止させ、緩んだ霧島のまわしを、力いっぱい腕力を使って締め直そうとする。だが、これがなかなかうまく行かず、呼び出しの手を借りて何とかしのいだ。館内からは、どよめきとも歓声ともつかない声が沸き上がって、笑いも渦まいた。

何とかまわしを締め直した後、待った前の体勢を、土俵下の佐渡ケ嶽審判長(元関脇琴ノ若)に入念に確認。ほどなくして再開された。

再開後、今度は土俵に落ちた霧島の黒い下がりを、翠富士が右足で蹴り上げ、ここでも館内はどっと沸いた。力のこもったせめぎ合いの後、正面土俵で翠富士の右下手と、霧島の左小手の、投げの打ち合い。両者、強靱(きょうじん)な足腰で残したが、最後は霧島の右足が俵を踏み越し、翠富士が2勝目を挙げた。

座布団が館内を舞う、いろいろあった熱戦は、1分58秒の、これぞ大相撲。まわしの締め直しに時間がかかったこともあり、ネット上では「結構時間かかってたから霧島も翠富士も辛そうだった」「伊之助さんの補助で颯爽と飛び込んできた呼出しさんかっこいい」「今の伊之助批判されがちだけど個人的には良い行司だと思う」「1人で頑張る伊之助の姿が切なかった」…などの声が飛び交っていた。

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