大相撲秋場所(10日初日、東京・両国国技館)を、いずれも新十両として迎える朝紅龍(24=高砂)、高橋(24=二所ノ関)、大の里(23=二所ノ関)の3人が、母校の日体大から化粧まわしを贈呈された。

8日、東京・世田谷区の日体大で行われた化粧まわし贈呈式に出席。松浪健四郎理事長らからの激励に笑顔を見せるなど、式は和やかなムードで行われた。ただ、この日発表された秋場所初日の取組で、朝紅龍-大の里戦が実現。関取として最初の対戦相手との“呉越同舟”状態だけに、早くも心理戦が展開された!?

朝紅龍が20年度、高橋が21年度、大の里が22年度と、3学年の歴代日体大相撲部主将が、くしくも同じ場所で新十両に昇進した。式典後、3人並んで行われた取材対応では「朝紅龍関はどんな先輩だったか?」と、大の里に質問が及ぶと、大の里は「面白かったです」と回答。すると、すかさず朝紅龍が「優しかったです、だろ」と話し、もはや大の里は「はい」としか返答できない状態だった。

逆に朝紅龍に「どんな後輩だったか?」と質問が及ぶと、朝紅龍は「これ、言っていいのかな…」と、含みを持たせて話し始めた。すると、大の里は「ちょ、ちょっと待ってください!」と、あたふたと、明らかに動揺の色が。2学年先輩だけあって、いくら2年連続アマチュア横綱の大の里といえども、終始手玉に取られた格好だった。

過去2度の対戦は、いずれも朝紅龍が大の里を破っている。大の里が鳴り物入りで迎えたデビュー戦の相手も、注目の関取初戦も相手は朝紅龍。「三度目の正直」に向けて、気持ちが高ぶるのも当然な大の里を、いなすようにして“前哨戦”も朝紅龍に軍配が上がった格好だ。朝紅龍は冗談めかして「動揺してるんじゃないですか」と、大の里をイジりながら笑顔。大の里も終始笑顔で、仲の良さをうかがわせた。

2人に挟まれる格好だった高橋は「料理が好きなので」と、大学時代はよく生チョコを作っていたエピソードなどを披露。ほんわかとした癒やし系キャラクターと、料理好きなど随所に見せる女子力の高さに、朝紅龍は「こういうのが(相撲ファンに)受けがいいんですよ」と焼きもち状態。マイペースな1学年後輩の高橋には駆け引きが通用しなかったが、大の里に対してと同様に、仲の良さをうかがわせた。