年納めの九州で復帰なるか-。右膝の大けがで4場所連続休場中の元関脇で十両の若隆景(28=荒汐)が九州場所(福岡国際センター)を1カ月後に控えた13日、都内の部屋で稽古し、土俵周りで若い衆を相手に立ち合いの確認や一丁押しを行った。

本場所出場に関して、若隆景は「まだ分からない」と明言しなかったが、師匠の荒汐親方(元前頭蒼国来)は「このまま順調にいけば、九州は出場できる」との見方を示した。同親方は「膝はだいぶ良くなっている」と現時点の状況を説明。部屋は来週末にも福岡入り。その後に本人と話し合って、出場するかどうかの最終的な結論を出すという。

若隆景は3月の春場所13日目に右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。場所後の4月に再建手術を行った。それからリハビリに専念し、夏、名古屋、秋と3場所連続で全休していた。地道なリハビリが実を結び、8月下旬から三段目力士らを相手に実戦稽古を再開。既に幕下とも相撲を取るようになっている。

この日は相撲を取らなかったが、「先場所よりも稽古もできている」と口ぶりからも手応えがにじむ。「前と比べたら残れるようになっているので、良くなっている」というが、今もトレーナーや医師と相談しながらリハビリを欠かしていない。拳大のゴムボールを使って患部周りの筋力強化などを行っており「できることをしっかりやっています」と話した。

東十両7枚目として迎えた秋場所を全休したことから、来場所は18年春場所以来の幕下に落ちることが確実視されている。そんな状況にも「そこを考えても仕方ない。それは分かっていたことなんで。今やれることをしっかりやるだけ」。年納めの場所で土俵に上がる姿が見られるか。注目が集まる。【平山連】