新十両の欧勝海(22=鳴戸)が千代翔馬を寄り切りで破って8勝目を挙げ、勝ち越しを決めた。

低く当たった立ち合い後、引いた相手にしっかりついていって右を差し、一気に前に出る好内容だ。「場所前には『勝ち越して、地元に元気を与えられるように』と言っていたので、それがかなえられてよかった。来場所にもつながる内容で良かった。うれしいっす」。笑顔も一気にはじけた。「知り合いからも『期待しているよ』と声をかけていただいたりしていたので、勝ち越せて良かったです」。能登半島地震で甚大な被害を受けた故郷の石川・津幡町など、被災地にも吉報を届けた。

幕下までは7番相撲だったが、初の15日間を経験した。「幕下までは4回負けたら終わりだったので、15日間のほうが伸び伸びと相撲をとれた。『負けたらどうしよう』などマイナスなことは考えなかった。強い気持ちでとれたのが良かったと思う。攻められているのが良い」。序盤は黒星先行で3勝6敗と苦戦したが、10日目から5連勝で決めた。

地元凱旋(がいせん)に関しては「今帰ってもあれかな…と思うので、様子を見ながら」と故郷の状況を鑑みながら検討していく。