新十両の朝白龍(26=高砂)が、4連勝で10勝目を挙げ、十両優勝争いのトップを守った。立ち合いから英乃海との差し手争いは膠着(こうちゃく)状態。しびれを切らした相手が、朝白龍の右足を狙って蹴返しを仕掛けてきた。これに動じず、一瞬の隙をついて出ていく展開は、前日11日目の三田戦と全く同じ。そこから一気に前に出て押し出した。
新十両での快進撃にも「たまたまです。運がいいだけです」と、笑顔を見せずに謙そんした。まわしを引かなければ、取りにもいかない展開だったが「胸を合わせたら厳しいと思っていた」と、150キロの自身よりも8キロ重い相手だけに、まわしを引きつけ合う展開を嫌った狙い通りの白星だった。前日と同じ流れでつかんだ白星だったが、前日の三田の蹴返しは「ちゃんと歩けるように5分ぐらいかかった。めちゃくちゃ痛かった」と、ダメージが残っていた。この日の蹴返しは、前日とは位置が異なっており、さらなるダメージの蓄積とはならず、胸をなで下ろしていた。
その前日の取組は、最後にダメ押しの格好となり、相手が人気力士とあって、朝白龍はSNSなどで“袋だたき”にあった。モンゴル出身とあって、差別的な投稿も多く見られ「正直、ショックでした」と心を痛めた。前日の取組は、最後に相手が横に跳んで、朝白龍の圧力をかわそうとしていた。それを鋭い踏み込みから、必死に追った分、勢いがついて“ダメ押し”に映った。温厚な性格は、新十両とあって世間に認知されていない。部屋のOBでもある元横綱朝青龍としこ名も似ており、そのイメージが強く、粗暴な取り口とみられたのかもしれない。
ただ、この日は取組に集中しており、支度部屋で帰り支度をしている最中に、2敗で並んでいた錦富士が敗れた。そこから付け人らに指摘されて初めて、兄弟子の朝乃山と高砂部屋の2人だけが、十両で2敗と知った。優勝争いについても、報道陣から質問されてようやく「トップなんでしたっけ?」と気付く、全くの無欲。「余計なことは考えず、1日1番に集中していきたい」と、変わらない姿勢で臨む決意を語った。

