大相撲で最高位小結の遠藤(35=追手風)が、現役引退を決意したことが分かった。27日、関係者が明かした。日本相撲協会から近く正式に発表される。遠藤は7月に右膝、9月に左膝と、慢性的に痛めていた両膝を相次いで手術。幕内だった5月夏場所を9勝6敗と勝ち越したのを最後に、2場所連続全休中で、九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)は東幕下3枚目に番付を下げていた。今後は年寄「北陣」を襲名し、追手風部屋付き親方として後進の指導にあたる。
端正なマスクに、技能賞4回という好角家好みの熟練した技術を持ち合わせ、屈指の人気を誇った。アマチュア横綱など日大で11冠に輝き、13年春場所、幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。幕下を2場所で通過し、同年名古屋場所で新十両に昇進してから12年余り、関取の座を守り続けた。出世の早さに髪の伸びが追いつかない、ざんばら髪の新鋭は早くから永谷園のCMに起用されるなど、広く知られる存在に成長。真っ向勝負が身上で、横綱白鵬のかち上げの立ち合いにもひるまず、取組後、1時間近く鼻血が止まるのを待っていたこともあった。
相撲どころの石川県出身で、小学1年時に父に「好きなドライブに連れて行ってやる」と言われ、無理やり相撲を始めることになった。そこから同県を代表する力士へと成長。昨年元日に起きた能登半島地震の被害が、今も残る地域を巡業で訪れた4月には「復興というけど、まだまだ。ふるさとの声援は特別な思いを感じる」と、故郷への強い思いを語っていた。横綱大の里の出世で、故郷に元気を与える存在のバトンを託せたことも、引退に傾かせたのかもしれない。屈指の寡黙な男は近日中に会見を開き、胸中を語る見込みだ。
◆遠藤聖大(えんどう・しょうた)本名同じ。1990年(平2)10月19日、石川県穴水町生まれ。小学1年から相撲を始める。金沢学院高-日大。日大では4年時にアマチュア横綱に輝くなど11冠。13年春場所で幕下10枚目格付け出しで初土俵。関取に昇進した同年名古屋場所を14勝1敗で十両優勝。史上最速の所要3場所で新入幕。出世が早く、まげを結えない「ざんばら髪」で注目された。初土俵から8場所目の14年夏場所で横綱鶴竜を破って初金星。18年夏場所で最高位となる小結に昇進。得意は左四つ、寄り。三賞は殊勲賞1回、敢闘賞1回、技能賞4回。金星7個。通算成績は527勝494敗88休。家族は夫人。184センチ、144キロ。血液型AB。

