日本相撲協会は9日、伊勢ケ浜部屋の伊勢ケ浜親方(34=元横綱照ノ富士)が弟子の伯乃富士に対して暴力を振るった問題で処分を発表した。
伊勢ケ浜親方には委員待遇から年寄への2階級降格と報酬10%減額(3カ月間)が科された。コンプライアンス委員会からの答申案を受けて、理事会で検討して処分が決まった。
協会の文書では「力士らの指導監督者である親方が暴力を振るうことは絶対に許されない」とされ、「伊勢ケ浜に対して継続的に指導を行う必要があると考え、当面、伊勢ケ浜部屋を協会、一門の指導・監督下に置き、定期的に状況を確認する」との方針が示された。また「弟子の指導については、部屋付き親方4名と伊勢ケ浜が、協力して集団指導体制を取り、稽古場のみならず、生活全般においても、5人の親方が協力して指導・監督を行う」と対応策が明記された。
広報部長を務める藤島親方(元大関武双山)は「伊勢ケ浜親方が師匠です」と、師匠は交代せずに継続すると説明。「とはいえ、これだけのことを起こした。部屋付きの親方が4名おられる。中には先代の師匠がおられますから、弟子の指導もそうですし、師匠としての立ち振るまいがちゃんとできてるか見てもらう。プラス、一門の理事である浅香山理事に報告を上げつつ、協会執行部もコンプライアンス部長、副部長おられる。定期的に稽古を視察する」と口にした。また「今回のことがあったからではなく、定期的に講習会を年に1回やっている。今度6月に講習会がある」と明かした。
伊勢ケ浜親方は3月に大阪市で行われた春場所は休場措置を取られ、15日間会場に来ることはなかった。今後について藤島親方は「今日が一つの処分の区切りだと思う。これからそこは話し合っていくが、5月場所で復帰するのかはまだはっきりは決まっていない」とした。弟子の指導は行っており「稽古は5月場所に向けてやっていく」と説明した。
角界では、暴力事案が後を絶たない。過去には元横綱朝青龍が知人男性に、元横綱日馬富士が平幕貴ノ岩に暴行し引退。貴ノ岩も18年12月に付け人に暴行し、引退した。
18年12月19日の理事会で、貴ノ岩の暴力問題を受け、暴力禁止規定や力士の暴力に対する処分基準を決定。横綱が暴力を振るった場合は「引退勧告以上」とし、八角理事長(元横綱北勝海)は親方衆の処分基準について「当然、現役より厳しくしなくてはならない」と話していた。
それでも20年に中川親方(元幕内旭里)が弟子に日常的に暴力を振るい、24年には幕内北青鵬による弟弟子2人に対する暴力行為が発覚した。今回、常習的ではないものの、またも暴力行為が明らかになった。

