昭和30~40年代、高度経済成長に伴い優等列車の需要は増大しました。GWや夏季、年末年始の長距離列車は大混雑。上野駅などでは多客期になると外にテントを張り、列車ごとに整列して座席を確保できる「着席券」を発行しました。乗客は着席券を求め、長蛇の列を作り、暑さ寒さに耐えながら待っていたものです。

着席券は乗車券様式もあればワッペンもあり、形もさまざま。方面別でも異なりました。ワッペンは1964年(昭39)、当時の上野駅長が考案したものといわれており、素材も薄いプラスチック製や刺しゅうのフェルトなどもありました。

昭和40年代に入ると、国鉄は行楽シーズンの増収対策として会員を募集。土日・祝日ともなると、東京近郊でのブドウ狩りやミカン狩り、ハイキング、イモ掘りなど、バラエティーに富んだワッペン列車が走りました。

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