2011(平23)3月の東日本大震災で大きな被害を受けた福島・富岡町で関東連盟と東北連盟による1年生大会が行われた。関東5支部から1チームずつ、東北から宮城の連合チームと、地元福島県内のリトルシニア全6チームを2つに分け、連合チームで出場した。中本牧が優勝した。

富岡球場の開幕戦は瑞穂(西東京支部)と福島レッドホープス会津・須賀川・郡山の連合チームが対戦。1点を争う熱戦で、福島がサヨナラ勝ちした。観戦した富岡町の山本育男町長は「みんな上手ですね」と金属バットの打球音に目を細めた。かつて、プロ野球のイースタン・リーグも行われた同球場は、昨年秋にポニーリーグが公式戦を行ったが、少年野球が行われる機会は少ない。震災前、2つあった中学校にはそれぞれ300人以上の生徒がいたが、今は統合され20人となり野球部もない。

8年前に震災直後の福島第1原発の事故による避難指示が解除(一部を除く)された。バドミントンの桃田賢斗が中学、高校時代に富岡町で腕を磨いたように、もともとはスポーツで活気にあふれる町だった。球場のあるスポーツセンターの施設も豊富で、隣にはホテルもオープンした。周辺の双葉地区もスポーツ施設が充実しており、大会や合宿の誘致を進めている。山本町長は「いろんな方々に復興する姿を見てもらうことが重要なんです。選手とそのご家族でお越しいただきたい」と力を込めた。

今大会は富岡町と埼玉・杉戸町が10年秋に友好都市として結ばれていたのがきっかけだった。富岡町から杉戸町周辺に避難した住民もいれば、杉戸町役場から富岡町役場に職員が出向した。その1人に関東連盟の杉江光一理事の家族がいたことから「野球で役に立てないか?」と計画が進んだ。

第1回大会に出場した1年生は12年4月から13年3月生まれで、震災を知らない世代。試合後は「とみおかアーカイブ・ミュージアム」を訪問して、町の成り立ちや震災が引き起こした現実に触れる時間も設けられた。【久我悟】

【1年生にとって初めての遠征大会】

関東連盟として初めての遠征を伴う1年生大会について、瑞穂の川崎基司監督は「いい経験ができました。チームと自分の現時点が、分かったと思います」。1回戦で惜敗したが、2日目には交流試合もあり、堀和真主将は「ホテルでどんよりせず、しっかりやり直したい」と力を込めた。

千葉市の酒井朝日主将は「2戦目の方が一丸になれました」と手応え。坂本弘毅コーチは事前に震災復興大会について説明したそうで「意義のある大会に参加できました」と話した。

庄和は初戦から大幅にオーダーを入れ替え。全選手に経験を積ませた。大曽根生夢主将は「負けていても声を出し続けられました」と熱戦を振り返った。

▶1回戦

福島レッドホープス・会津・須賀川・郡山(東北連盟)3―2瑞穂(西東京)

中本牧(南関東)5―1荒川(東東京)

庄和(北関東)6―4福島南部・福島・いわき(東北連盟)

千葉市(東関東)7―1仙塩東・仙台中央(東北連盟)

▶準決勝

中本牧4―3福島レッドホープス会津・須賀川・郡山

千葉市11―0庄和

▶決勝

中本牧5―4千葉市