★防衛相・小泉進次郎が11日の会見で日本の原子力潜水艦の保有について、安全保障関連3文書の年内改定に向けた議論の中で「特定の結論ありきで進めるようなことはない」と言いつつも「あらゆる選択肢を排除せずに検討する」と1年前からの持論を繰り返した。ただ、1年間の発言を整理すれば、25年11月27日の参院予算委員会で「私が原子力(潜水艦)についてもタブー視せずに議論をする必要があると申し上げているのは、我々を取り巻く安全保障環境の変化にあらゆる選択肢を排除せずに検討する必要性をお伝えをしたいから。(原子力潜水艦を)今持っていない韓国が持つ、今持っていないオーストラリアも持つ、そしてアメリカも持つ、中国も持っている」と周りがみんな持っているからとの説明だ。

★ただ、今回は10日の読売新聞オンラインに「ホノルルの米海軍当局者は、日本には原子力発電所が既にあるため、技術的に建造が可能と理由を挙げ、韓国は『地位の象徴として購入するのは間違っている。韓国は妥当な理由を見つけなければならない』」とした。これが国内議論の追い風になるとは思えないが後押しをする記事が出た。小泉は一見重要そうだったり、深いメッセージや意味がありそうに聞こえるが、実際には同義語反復(トートロジー)や当たり前の事実を言い換えているだけで、内容や新情報がほとんどない「小泉構文」がネットで話題になったが、安全保障の議論でこの一見常識的に聞こえる「あらゆる選択肢を排除せずに検討する」は正しいか。

★一番の問題点は「検討する」だ。「議会での議論を含め国民的に議論したい」ならともかく「検討する」は大臣または省内議論、広げても与党内議論にとどまる口ぶりだ。憲法9条に基づく「専守防衛」や国際法(武力行使の違法化)などの国内法との整合性と「ありとあらゆる選択肢」には国際的に過激な判断も許容すると判断されかねない危うさが残る。また防衛相が一番考えるべき平和主義が抜け落ちている。小泉構文は勇ましい第2形態にフェーズが移った。(K)※敬称略