★沖縄知事選の敗因分析が始まるが、15万票もの大差で新人の古謝玄太が当選しているところから見て、ひどかったネットの誹謗(ひぼう)中傷やデマ動画のせいとは言えない。ある意味で「嘘」も圧倒的な物量とカネを掛ければ本当になるという政権の沖縄での壮大な実験と見るべきではないか。選挙戦終盤、首相・高市早苗が沖縄入りの報が流れたが、それ自体も実験の一環とみる。高市沖縄入り断念が勝因とする分析もあるが、極めて政治的な側面はあるとしても、有権者の投票行動に影響があったとは言い切れない。
★13日夜、玉城デニーは自身を誹謗中傷する投稿やデマに「ひどいありさまが野放しになっている」とし、刑事告訴の準備を進めるとしたがどうなるか。また沖縄県警は古謝陣営のあからさまな選挙違反など捜査するだろうか。内閣府は27年度沖縄関係予算の概算要求を2897億円としたばかりだが、早速3000億円越えに増額との報道も始まった。その直後に県予算の増額としばらくあめが続くだろう。また内閣広報室が来年度の予算概算要求として今年度の約7億円から10倍の約72億円を要求したのはこの実験の効果を見て、同じ要領と物量で憲法改正に駒を進めたいのだろう。最高のサンプルが取れたはずだ。全国でも数少ない野党系現職はどれくらいの規模で仕掛ければ県内世論を誘導できるかの実験は成功した。
★玉城知事は観光立県を推進。コロナ後、中国からの観光客が激減したにもかかわらず、25年度の観光収入が1兆747億円(前年度比927億円、9・4%)増となり、初めて1兆円を突破。観光客数の増加などを背景に3年連続で過去最高を更新した。古謝は自民や日本維新の会、国民民主、参政、日本保守、さらに公明の沖縄県本部からも推薦を受けた。選挙中、参政党代表・神谷宗幣は「沖縄をよくすることは国益にかなう」とし、保守党の北村晴男は「日本を分断する県政、戦後80年を経て被害者意識に苛(さいな)まれる県政をやめにしないか」は、反対ばかりしていないで国のために汗を流せと聞こえる。米紙ニューヨーク・タイムズは「この勝利は軍備増強を急ぐ首相・高市早苗の勝利」としたが、県関係者は「国の大盤振る舞いの後は観光立県を捨て、防衛最先端県に生まれ変わるだろう。ビーチは埋め立てられミサイル基地になるのだろうか。そこに観光客は来たいだろうか。東京は安全なところから口とカネを出すが最後は核配備まで要求するのではないか」と心配する。(K)※敬称略


