ニューヨーク・デーリーニューズやシカゴ・トリビューンなど計8つの米地方新聞社は4月30日、対話型人工知能(AI)の学習に記事を使われて著作権を侵害されたとして米オープンAI、同社と提携するマイクロソフト(MS)を提訴した。損害賠償の支払いと、さらなる著作権侵害の差し止めなどを求めている。

米紙ニューヨーク・タイムズも昨年12月に訴訟を起こしており、同様の動きが拡大。一方、オープンAIは米AP通信やドイツのアクセル・シュプリンガー、英紙フィナンシャル・タイムズなどと記事使用で提携しており、メディアによって対応が分かれている。

米投資ファンドのアルデン・グローバル・キャピタル傘下の新聞社が共同で提訴した。オープンAIの「チャットGPT」やMSの「コパイロット」を含むAI製品のために2社が「著作権で保護された何百万もの記事を許可も支払いもなく盗んだ」と指摘。不正確な内容を新聞社が報じたかのように誤って答えることで新聞社側の信用を傷つけたとも非難した。

原告は訴状で「MSとオープンAIは、地域社会にニュースを提供する地方紙の努力や法的権利を全く考慮していない」と批判し「被告の行為は民主主義の基盤であるローカルニュースの存続を脅かす」と述べた。

オープンAIは「報道機関をサポートするために製品と設計に細心の注意を払っている」とのコメントを出した。(共同)