稲田氏の辞任を求めた野党に、自民党は「できません」と拒否。稲田氏は、思想的に近い首相の「秘蔵っ子」だ。昨年の内閣改造で、当選4回で重要閣僚の防衛相に抜てきした。ポスト安倍へ経験を積ませる目的が、今や「アキレスけん」(関係者)になっている。

 稲田氏はこの日、首相を官邸に訪ねて経緯を報告。首相は「おわびして訂正を」と稲田氏を励まし、衆院本会議では「説明責任を果たし、誠実に職務に当たってほしい」。更迭要求も拒否したが、「稲田リスク」を抱える判断が、首相の政権運営に影響しないとは限らない。【中山知子】

<稲田氏と森友学園・国会答弁VTR>

 ▼2月23日 (昨年10月、籠池氏に防衛大臣感謝状を贈っていたことを問われ)「自衛隊員の士気高揚に貢献されたことに対して贈呈した。仮に贈呈がふさわしくないと判断した場合、取り消すこともあり得る」

 (教育勅語を素読させていたことについて)「文科省が言う丸覚えさせることに問題があるということはどうなのかと思う。どういう教育をするかは教育機関の自由だ」

 ▼3月6日 (顧問弁護士を務めていたのではないかと指摘され)「森友学園の顧問だったということはないし、法律的な相談を受けたこともない」

 ▼8日 (教育勅語についてあらためて問われ)「親孝行など核の部分は取り戻すべきだと考えており、道義国家を目指すべきだという考えに変わりはない」

 ▼10日 (籠池氏が2年ほど前に会ったと反論したことについて)「ここ10年来会ったことも話したこともないし、弁護士時代を通じて相談を受けたこともない。(陳情も依頼も)ございません」

 ▼13日 (「籠池氏は『訴訟の代理人を引き受けてもらった』と話しているが」と問われ)「共同事務所の場合、連名で書面を出すことはあるが、籠池氏の裁判を行ったことも法律相談を受けたこともない。10年ほど前から全く会っておらず、関係を断っている」

 (籠池氏がインタビュー動画で『顧問弁護士でした』と明かしたことについて)「全く虚偽だ」

 (「森友学園訴訟代理人 弁護士稲田朋美」と書かれた05年の裁判資料を示され)「今、初めてみました」