自民党の安倍晋三総裁(63)は14日午後、神戸市北区を経て、予定の1時間遅れで、元法務副大臣の盛山正仁氏(63)応援のため、同市東灘区に入った。阪神ファンが多い土地柄を意識して、この日、プロ野球クライマックスシリーズ(ファーストステージ)の初戦に勝った阪神を引き合いに“神”頼み演説を行った。

 阪神はこの日、DeNAに勝利し、リーグ優勝した広島とのファイナルステージ進出へ王手。安倍首相は「皆さん、阪神タイガースは勝ちましたよ」と第一声を上げ、「このまま明日も勝ちますよ」と神戸市民らを喜ばせた。

 もともと「どこの球団も特定のチームも応援しない」と言いつつも「ここにいる間は阪神ファンです」とリップサービス。猛虎の勢いと、阪神ファンの応援熱量を頼みに「盛山さんにも力を貸してください」と訴えた。

 また阪神は今季、DeNAと巨人の激しい3位争いで、初戦の相手がなかなか決まらなかったことにも触れ、「阪神も(3位の)相手がなかなか決まらなかったけど、盛山さんも、相手が党をころころ変えた。一筋でぶれない盛山さんとどちらが信頼できますか」。ここでも阪神に引っかけた。

 盛山氏が争う兵庫1区には、無所属から「みんなの党」「結いの党」「維新の党」をわたり、「民進党」を経て、今回、小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」から出馬した井坂信彦氏(43)がいる。首相は、自民一筋の盛山氏の「ぶれない強さ」への協力を呼びかけていた。