東京・上野動物園のジャイアントパンダ「シャンシャン(香香、雌)」が、明日19日からいよいよ一般公開される。日本パンダ保護協会会長で、3月まで同園長だった土居利光さん(66)は「あくまで一般論」としながらも、観覧するお勧めの時間について「元気に動いている姿を見られる可能性が高いのは、朝の早い時間」と話した。

 園によると、シャンシャンは現在1~3時間起きたあと、3~4時間ほど眠るサイクル。土居さんが朝一の観覧を勧めるのは、ジャイアントパンダに限らず、動物園の動物は一般的に朝に起きていることが多いからだ。屋内の寝室から屋外の運動場に移動し、出勤した職員から餌を与えられる時間でもある。

 シャンシャンは屋内展示場で公開されるため、一概には言えないが「どの動物でも見るなら開園直後。保証はできないが、起きている確率は高い。運が良ければ、シンシンの授乳シーンも見られるかも」と土居さん。園長時代は毎朝、開園前に園内を散歩していたといい「みんなが一番元気な時間帯。役得でしたよ」と笑った。

 上野動物園のパンダには“かわいい”だけでない特別な価値があるという。「動物園の存在意義は、動物や自然を知ってもらうこと。それに加え、人間関係の核であるコミュニケーションを取る場所でもある。上野のパンダはいろんな人の共通の話題になれるので、価値が高い」。直接観覧できなくても、シャンシャンが眠っていても、「パンダの話題を家族や友人と共有できる」と力説した。

 シャンシャンは順調に成長しており、生まれた直後は147グラムだった体重は生後半年で12・3キロになった。土居さんは「当たった人はラッキー。なにしろ『小さくてかわいい』のはこの時期だけ。ひたすら見て楽しんでもらえば」と願っていた。【太田皐介】

 ◆日本パンダ保護協会 在日中国人らが提唱し、臥龍(がりゅう)中国パンダ保護研究センターや在日中国大使館の支援で02年設立。同センターにいるパンダのえさ代などを援助する“里親”制度などを通じて、保護活動を行う。女優黒柳徹子が名誉会長を務める。