学校法人「森友学園」の補助金詐取事件で詐欺罪などに問われ、大阪拘置所に勾留中だった学園前理事長籠池泰典被告(65)と妻諄子被告(61)が25日、大阪市の大阪拘置所から保釈され、同日夜、2人そろって会見を行った。

 昨年7月31日、大阪地検特捜部に逮捕されて以降、約10カ月ぶりの公の場で、籠池被告は第一声から「これは国策勾留だ。妻に関しては全くの冤罪(えんざい)」と、ほえた。「まさに人権じゅうりんの状況で、長く勾留されていた」と安倍政権を批判した。

 一方、「一連の事件や騒動によって多大な迷惑を掛けた。心よりおわびを申し上げる」と陳謝。勾留中は、全国各地から書籍や食料、手紙が届いたといい、「物心両面で支えてくださったみなさん御礼を申し上げたい」と感謝を述べた。

 さらに「これから活躍させていただく予定」として、1度あきらめた小学校の再開学についても「小学校開校は決して諦めていない。吉田松陰先生の志を持って進めていきたい」と、首相が尊敬する吉田松陰の名を出して、意欲を語った。

 安倍晋三首相に対しては「為政者は本当のことを言うべき。正々堂々と伝達、報告するものだ」と主張。昭恵夫人についても「本当のことをしっかり伝えていただいたらいいのではないか」と、述べた。

 国有地の取引に、昭恵夫人の関与があったかについては「私がしっかりと国会における証人喚問で答えたので、なにも虚言はないというのはお伝えしておきたい」と言い切り、自身の主張の正当性を訴えた。

 自身の詐欺罪などにはついては「公判準備中」として、詳細は語らなかった。