2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック輸送計画の重要課題である交通量を抑制する「交通需要マネジメント(TDM)」の推進プロジェクトが8日、発足した。東京都の小池百合子知事、鈴木俊一五輪相、組織委の武藤敏郎事務総長や各経済団体が共同宣言を行った。同日、協力企業の登録申し込みを開始した。

 一方で暑さ対策のために夏の間、時間を早めるサマータイムについて、安倍晋三首相が7日、自民党に検討を指示。導入となれば、五輪輸送計画の再検討が迫られる。組織委の担当者は「全競技がそのまま2時間、前倒しになればよいが、暑い時間帯にずれ込む競技もある。それを涼しい時間帯に据え置くとすれば、終電との兼ね合いもあり再考が必要」と話した。

 例えば組織委が公表しているスポーツクライミングの競技時間は午後4時30分~同10時30分。この時間帯の気候を維持する場合、2時間のサマータイム下では競技終了が翌午前0時30分となり、最寄りの「ゆりかもめ船の科学館駅」の終電後になる。導入された場合、輸送計画への影響について「大きい」と語った。

 小池氏は今秋までに、時間帯、交通機関ごとの「混雑マップ」を示すとしたが、導入となればこれにも影響は及びそうだ。