第197臨時国会は24日召集され、安倍晋三首相は衆参両院本会議で所信表明演説を行った。

総裁選で3選され、今後も安倍政権が続くことへの国民の「飽き」に配慮したのか、「長さゆえの慢心はないか。そうした国民の懸念にもしっかり向き合う」と強調したが、野党からはすかさず「慢心だらけじゃないか!」と激しいヤジが飛んだ。首相は顔色を変えずに「その長さこそ、継続こそが力であると思ってもらえるように、一生身を引き締めて政権運営に当たる覚悟だ」と訴え、「6年前、政権奪還を成し遂げた時の初心、挑戦者としての気迫はいささかも変わらない」と理解を求めた。

一方、憲法改正について「与党、野党といった政治的立場を超え、できるだけ幅広い合意が得られると確信する」と意欲を述べたが、改憲案の取りまとめは不透明な状況だ。森友&加計問題や障がい者雇用水増し問題など、自身や政府に都合の悪い話題には触れないままだった。

野党席からは、たびたび激しいヤジや怒号が飛んだ。終了後、立憲民主党の枝野幸男代表は「美辞麗句だけを並べた」と切り捨て、無所属の会の岡田克也代表は「3選を果たし、これをやるんだ、という意気込みが伝わらなかった」と感想を述べた。【中山知子】