28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上で、私立カリタス小学校(同区)のスクールバスを待っていた児童17人、大人2人の計19人が、両手に包丁を持った男に次々と刺された。小学6年の女児(11)と、別の児童の父親(39)が死亡し、3人が重傷。男は同市の職業不詳、岩崎隆一容疑者(51)で、児童らを襲撃後、自分の首の付近を刺し、自殺した。犯行時は無言だったという。県警は強い殺意を持ち、計画的だったとみて調べている。学校の担当者は「信じられない」と声を震わせた。

川崎市で28日午前に発生した無差別殺傷事件で、亡くなった小学6年の栗林華子さんが通っていた私立カリタス小学校を運営するカリタス学園が同日夜、会見を開いた。

小学校の内藤貞子(ていこ)校長は、亡くなった栗林さんの人柄について「私は毎朝学校の前に立っていますが、『おはよう』と声をかけると彼女は笑顔いっぱいで『おはようございます』と返してくれるお子さん」と語った。そして「信じられない。今日も元気なあいさつを聞けると思っていました」と、悲しみで声を震わせた。

毎朝、登戸駅で子どもたちを出迎え、スクールバスのバス停まで引率している倭文覚教頭は、先週に編入を希望する児童や家族に校内を案内した際、栗林さんが率先して児童に学校のPRポイントを語ったエピソードを明かした。

倭文教頭 休み時間の中、小さい子供を連れて行ったので児童が声をかけてきた。「今度、うちの学校に入りたいというお父さま、お母さまだよ」と言うと、(栗林さんが)男の子3人と(編入希望の児童を)囲みながら、「外国語が、たくさん勉強できるよ」とか「宿泊が、たくさんできるよ」などと笑顔で語ってくれた。私は何のお願いもしていないんですが…。それがあの子の一番最近の出来事で、今も忘れられない。

学校によると、同級生の中には帰宅後に自分の部屋から出てこない児童もいるといい、子どもたちのショックの大きさは計り知れない。内藤校長は「来週には全校の子どもたちを集めて伝えないといけないことだと思っていますが、今はまだ子どもたちはつらい思いをしている。そっとしてあげないといけない」と、配慮が必要だと強調。小学校を31日まで休校にすると明らかにした。【村上幸将】

◆カリタス小学校 1960年(昭35)に設立されたキリスト教カトリック系のミッションスクールで、幼稚園、中高、短大もある。母体はカナダ・ケベック州の「ケベック・カリタス修道女会」で「カリタス」はラテン語の「愛」の意味。中学以上は女子校だが小学校は男女共学で、電車とバスを乗り継いで通学する児童も多いという。教職員52人、生徒648人。川崎市多摩区中野島。