アントニオ猪木参院議員(76=無所属)が、改選を迎える今夏の参院選に出馬しない方向で最終調整していることが4日、関係者への取材で分かった。

最近、会派所属先の国民民主党から、参院選に出馬すると一部で報じられたばかり。しかし猪木氏に近い関係者によると、もともと年齢的なことも考慮し、不出馬の方向で調整を進めてきているという。

猪木氏は、自由党共同代表だった小沢一郎氏(現・国民民主党)の打診を受けて今年2月、都内で会見し、国民の会派入りを発表した。その際、参院選出馬の可否を問われると「今のところ何も考えていない」「一寸先は闇ではなく、ハプニング」とけむに巻いた。同席した小沢氏は「進路を決めるのはご本人だが、引き続き国政に参加してほしい」と、政治活動の継続に期待を表明していた。

猪木氏は昨年8月に腰の手術を受け、国会内で車いすを使って移動したこともある。今年2月の故ジャイアント馬場さんの没20年追善興行には、元気な姿でリングに上がった。

猪木氏は89年の参院選比例代表で初当選し、1期務めた。その後、13年参院選比例代表に日本維新の会から出馬、2度目の当選を果たした。日朝関係が停滞する中、関係打開へ、猪木氏の北朝鮮との太いパイプに期待する声も出ている。

一方、猪木氏が今月21~26日の日程で北朝鮮を訪問し、政府要人との会談を計画していることが分かった。関係者によると、国会開会中の外国訪問には参院の許可が必要で、所属する国民民主の会派幹部に院内手続きを依頼したという。昨年9月も訪朝した。