将棋の藤井聡太七段(16)が8日、都内で行われたAbemaTVの番組収録後に囲み取材に応じた。

その中で、前日7日の日本将棋連盟の通常総会で方針が決まった東京・千駄ケ谷の将棋会館の移転について聞かれ「建ってから40年以上たっていますので妥当かと思いますが、千駄ケ谷が将棋の町として歴史を重ねてきたので、新しい会館がそういった歴史を受け継いでいってくれたらなぁと思います」と持論を語った。

76年に建てられた将棋会館は老朽化が進み、日本将棋連盟は昨年、羽生善治九段(48)を委員長とした会館建設準備委員会を発足し、1年、検討を進めてきた。7日の総会では、棋聖戦の特別協賛のヒューリックが所有し、建て替え計画がある千駄ケ谷センタービルへの移転案が可決された。

移転について見解を問われた際は、やや緊張の面持ちだった藤井七段だが、将棋会館で一番印象に残ったことは? と聞かれると「フフフッ」と笑った。その上で「棋士になる前は、ほとんど東京の将棋会館には行ったことがなくて、奨励会に入る前に1度と、3段リーグの最終日に1度なので。その後、デビュー戦で3回目になるんですけど、初めて特別対局室に入った。その時の光景というのは、強く印象に残っています」と答えた。

そのデビュー戦とは、16年12月24日に62歳差の加藤一二三・九段と対局し、14歳5カ月での史上最年少の勝利を挙げた第30期竜王戦予選だった。「加藤先生との対局ですか?」と聞かれると「はい」とハッキリした口調で答えた。【村上幸将】