落語文化のさらなる発展に寄与しようと、与野党の超党派の国会議員による「落語を楽しみ、学ぶ国会議員の会」(落語議連)が設立され、14日、国会内で設立総会が開かれた。

会場には、即席で高座が設けられ、ゲストで参加した柳家さん喬が、落語の歴史に触れたり、小噺(こばなし)を披露する一方、落語の歴史を踏まえて「超党派」の意義を強調する場面も。国会内に高座がつくられるのは初めてで、普段は対立する与野党議員が朗らかな笑いの時間を共有した。

昨年11月に、小泉進次郎厚労部会長ら自民党の有志で設立した議連が超党派に発展。この日は自民、公明、立憲民主、国民民主、日本維新の会、共産党、社民党のほか、無所属の議員も集まった。

出ばやしに乗って登場したさん喬は、「議員会館に出ばやしが鳴るのも、初めてでしょう」と切り出し、「高座」と呼ばれる由来や噺(はなし)家の位について説明。その上で、「落語にはさまざまな『派』があるが、柳派が伝統的に持っている噺(はなし)を、古今亭が教えてほしいと言っても、拒否はしない。どんな派でも教えてあげる」と、落語界の懐の深さを紹介した。

「違う世界にいる人が1つの世界に集まることで、また1つの新しいものを作り出す。落語はこれを、この300年、400年の歴史の中で作り出してきた。今も、古い話を笑ってもらえるのは多くの噺家がつくり合ってきた結果だ」と述べ、「これからも議連で落語を聴いたり、これを通していろんなことを教え合ってほしい」と、落語にならった超党派精神の大切さを呼びかけた。

会長に就任した遠藤利明元五輪相は「来年の東京五輪・パラリンピックはスポーツの祭典だが、日本文化を世界に発信できる大きなポイント。しっかり文化を根付かせたい」と述べ、「オチは師匠にまかせて、我々は(選挙に)オチないように」と、笑わせた。