自民党の小泉進次郎厚労部会長は21日、認知症の人と共生する街づくりを積極的に進めている東京都町田市を視察し、「今後、国が進めていく共生社会の景色というもののイメージが、自分の中でできた」と、述べた。

市内のデイサービスに通う認知症の人たちが、5年前から展示車両の洗車に協力する場を提供している「ホンダカーズ東京中央町田東店」や、月に1回、認知症の人や家族らが集まって参加する「Dカフェ」を開いている「スターバックスコーヒーぽっぽ町田店」に足を運び、話を聞いた(Dは、認知症を意味するDementiaの頭文字)。

視察後、進次郎氏は「認知症の方でも洗車をしながら働ける場所があるし、スタバでは町田市と連携して、認知症の方同士が悩みや楽しいことを共有できる場がある。一連の流れがまさに共生社会だ」と指摘した。

日本では高齢化社会が進むにつれ、認知症はだれにとっても身近なテーマとなってきている。進次郎氏は「認知症は高齢者の課題というイメージがあるが、私もいつかなるかもしれない。自分たちの将来を考えた時に、働く場や、Dカフェがもっと当たり前にそろっている社会をつくるのは、全世代でやっていかなければならず、取り組みが全国に展開するような後押しをしていきたい」と述べた。「認知症に対する誤解が広がらないようにしたい」とも話した。

政府は18日、認知症の発症や進行を遅らせるための「予防」に重点を置いた新しい大綱を決定した。認知症の人の「通いの場」の拡充が1つの柱となっている。