東京・池袋の都道で4月19日、乗用車が暴走した事故で、松永真菜さん(31)と長女莉子ちゃん(3)を亡くした男性が20日、都内の東京地検交通部に、39万1136筆の署名と、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(88)の早期の送検と公判請求、重罰を求める要望書を提出した。

松永さんの夫は提出後、都内で会見を開いた。その中で、7月18日から今月15日まで続けた署名が39万筆を超えるまで集まったことについて「始めた当初は、さまざまな思いを込めて始めた。こんなにご協力をいただけると思っていなかった。驚きと感謝の思いでいっぱい。皆さまの思いが無駄にならないように裁判に臨ませていただきたい」と語った。その上で「このような、つらい思いを一生抱えていかなければならない遺族が出ないように、自分が出来ることをしようという思いは、2人を病院で見た時から変わらない」と言い、口を固く結んだ。

この日、沖縄から上京した、真菜さんの父上原義教さんは「大切な娘と孫の莉子を、返してくれ…と大声で叫びたいですが、それは、かなわないことだと思います。全国から、たくさんの署名が届き、私たち家族を心配してくださる多くの方の愛を思うと、どうしてもお礼がしたかった」と涙ながらに語った。【村上幸将】