家電大手のヤマダ電機(群馬県高崎市)が12日、家具販売の大塚家具(東京都江東区)を買収すると発表し同日、都内で会見を開いた。事実上の“身売り”になる格好だが、大塚家具の大塚久美子社長(51)は自らの処遇について聞かれ「引き続き全力を尽くしていこうと思っています。そういうこと(続投)でございます。引き続き貢献していきたい。提携を、きちんと軌道に乗せるのが経営陣の責任」と続投を明言した。

質疑応答の中で、大塚社長は創業者で父の大塚勝久匠大塚会長に今回の件について話したかと聞かれると「事前に(父に)伝えております」と語った。内容については「そこについては、あえて申し上げないようにします」と明言を避けた。

大塚社長は「社長を引き受けて11年。令和に通じる大塚家具を模索してきた。時代にあった大塚家具にするために、あえて父のやり方を変えなければいけなかった。抜本的な改革をするため、黒字まであと1歩まで来た」と自信の成果を強調。その上で「家具だけでなく生活提案もしたく、決めた。2月の業務提携発表後、協業を行い、資本提携に可能性があると確信しています。家電、家具を超え、新しい暮らしを提案します。暮らしをトータルに提案するゴールは同じ」とヤマダ電機の傘下に入る意義を口にした。

今回、傘下に入るに当たり、両社はスローガン「暮らし家電×家具×インテリア×リフォーム×loT」を打ち出した。

ヤマダ電機の山田昇会長(76)は、大塚社長の続投について「(やり方は)間違っていない。やっていけば、ちゃんとやっていける。来年、黒字化を迎える手応えがある」と語った。【村上幸将】