中国・武漢を中心に感染が世界に拡大している新型コロナウイルス。そもそも「コロナウイルス」とは何なのか。感染症に詳しい医師に聞いた。

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感染症に詳しい、東京品川病院血液内科副部長・若杉恵介氏 コロナウイルスは、クラウンの語源にその由来があるように、王冠状の突起を有した形状のウイルスです。「新型コロナウイルス」はまだ性質の全容がわかっているわけではなく対応もやっかいです。現在致死率が約3%ということですが、以前に問題となったSARSコロナウイルス約10%、MERSコロナウイルス約34%と比べると「毒性」は低いとされます。潜伏期間が長く、罹患(りかん)者が飛躍的に増加していることから「感染性」は強いと考えます。コロナウイルスは、何も特殊なものでなく、普通の風邪の原因ともなり得ます。

「新型」の症状は、熱が出たり、ちょっと変わったせきが出たり、腰の筋肉が痛いといったごく普通のものです。現状で問題はウイルスの感染を調べる簡易的な検査がないことで、その開発が待たれますが、症状があっても慌てないことです。季節性インフルエンザをこじらせて大事に至ることの方がまだ多いのです。