4月29日に政府主催で行われた「昭和100年記念式典」で、出席された天皇陛下のおことばがなかったことをめぐり、12日の参院外交防衛委員会で立憲民主党の田島麻衣子議員が、式典準備室担当者の見解を繰り返し問う場面があった。
担当者は「政府として、今般の式典の趣旨、目的や、過去の政府主催式典でのご臨席などの状況などを総合的に勘案し、ご臨席のみをお願いすることとした」「天皇陛下が臨席されるすべての式典において、おことばを承っているわけではない」との説明を繰り返すだけで、明確な理由については答えなかった。
田島氏は質問で、「式典では天皇、皇后両陛下は中央に座っておられたと思うが、おことばがなかったことについて、国民のみなさん、総じて、なんでだろうという思いが非常に多い」として、おことばがなかった理由を政府の担当者に問うた。式典準備室の担当者は「激動と復興の昭和の時代を顧み、将来に思いを致す機会となるよう挙行したもの。政府としては今般の式典の趣旨、目的や、過去の政府主催式典でのご臨席などの状況などを総合的に勘案し、ご臨席のみをお願いすることとしたものです」と応じた。
「(おことばがなかったのは)政府の意向という理解でいいのか」との問いにも、「政府主催の式典で、政府として、今般の式典の趣旨、目的や、過去の政府主催式典でのご臨席などの状況などを総合的に勘案し、ご臨席のみをお願いすることとしたものです」と述べるにとどめた。
田島氏は、1968年(昭43)に行われた明治100年記念式典では、当時の天皇陛下のおことばがあったとして、政府の説明の「矛盾」を指摘したが、政府の担当者は、これまでと同様の説明を繰り返した上で「天皇、皇后両陛下がご臨席されるすべての式典において、おことばを承っているわけではないと承知しています」と主張した。
田島氏は、明治100年の記念式典と今回との「差」を問うたが、政府側は「繰り返しになりますが」と断った上で、「これまで両陛下がご臨席されるすべての式典において、おことばを承っているわけではないと承知しています。今般の式典におきましては、式典の趣旨、目的や、過去の例などを踏まえまして、ご臨席のみをお願いすることとしたものです」と、同じフレーズを繰り返すのみだった。
おことばをなぜお願いしなかったのか、との問いにも「今般の式典の趣旨、目的や、過去の例などを総合的に勘案し、今回は、ご臨席のみをお願いすることとしたものです」と、かみ合わない答えが続いた。
田島氏は「具体的な点は一切、答えられない。非常に残念だ」と指摘。天皇、皇后両陛下について宮内庁が同30日、「過去の歴史から謙虚に学び、深い反省とともに平和を守るために必要なことを考え、将来へとつなげる努力を続けることが大切との思いで式典に臨まれた」と明かした内容に触れながら、「こうしたお考えは、極めて重要な意義を持つと感じました」と述べ、政府側の対応に「非常に残念です」と、苦言を呈した。

