将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が31日、大阪市の関西将棋会館で指された第46期棋王戦1次予選で今泉健司四段(46)を173手で破り、公式戦10連勝を飾った。本年度の成績は40勝10敗となり、勝率もちょうど8割に到達。17年度、18年度に続き、3年連続の勝率8割クリアの快挙に近づいた。

大熱戦を逆転勝ちした藤井は「苦しい局面が長く続いた将棋だった」と振り返った。棋王のタイトルは渡辺明棋王(35)が12年度から保持している。予選トーナメントを勝ち抜いた8人が、シード者と本戦トーナメント(T)で戦う。

エリートVS苦労人の戦いでもあった。藤井は史上最年少の14歳2カ月でプロ入り。今泉は14年にプロ編入試験に合格し、戦後最年長の41歳で会社員から転身した異色棋士。両者の過去の対戦成績は1勝1敗。3度目の対戦で敗れた今泉は「正直、力負けです」と悔しそうに話した。

藤井の今年の大きな目標はタイトル獲得だ。タイトル挑戦の最年少記録は屋敷伸之九段の17歳10カ月。獲得は屋敷の18歳6カ月。昨年は棋王戦で本戦Tに進出することができなかった。「今年は本戦を目指していきたい」。7月に18歳になる藤井の挑戦が続く。