宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、2021年春ごろに打ち上げられる米スペースX社のクルードラゴン2号機に星出彰彦宇宙飛行士が搭乗することを発表した。星出宇宙飛行士は国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在し、船長を務める予定で日本人船長は13年11月から務めた若田光一氏以来、2人目。星出船長として来年7月に開催延期された東京オリンピック(五輪)を宇宙から応援する。現在、星出宇宙飛行士は長期滞在ミッションへ準備、訓練を続けている。「今回、新しい技術やコンセプトで開発された民間宇宙船に搭乗できることは楽しみでもあり、同時に新しい時代の到来を肌で感じております」と話している。

宇宙飛行史に名を刻む米スペースシャトルは11年7月を最後に退役し、以後はロシアのソユーズが有人宇宙飛行船を担ってきた。米航空宇宙局(NASA)は民間企業と共同開発し、5月にスペースX社が打ち上げた2人乗りの宇宙船がISS到達し、世界初の民間商業宇宙船となった。

クルードラゴン1号機は9月にも打ち上げが予定され野口聡一宇宙飛行士らが搭乗し、ISSで長期滞在ミッションを行う。滞在期間は約6カ月間。星出宇宙飛行士の2号機とは入れ替わりとなり、日本人2人が同時滞在する可能性は低い。高校、大学とラグビーに熱中した星出船長は五輪期間中の宇宙滞在に「世界中のトップアスリートが記録や勝利へ向け、日頃の努力とチームワークを発揮する素晴らしい場。我々も宇宙で挑戦しています」と天空から地上にエールを送る。【大上悟】