新型コロナウイルスの新たな感染者が367人となり、今月23日の366人を超え、1日の感染者数で過去最多となった東京都の小池百合子知事は30日午後、都庁で臨時記者会見を行った。

都内の酒類を提供する飲食店やカラオケ店などを対象に8月3日から31日までの期間の営業時間を午前5時~午後10時までとし、協力した店舗に一律20万円を支給するなどの感染防止対策を打ち出した。

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新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない東京都は飲酒を伴う飲食店やカラオケ店に対し、「時短営業」の再要請に踏み切った。小池知事は感染リスクの1つとして「はしご酒というのもあります」と、長時間の飲酒を伴う飲食の抑制策として時短営業による補償とセットで打ち出した。「営業を止めてください、というのは現実的ではない」として、午前5時から午後10時までの「時短営業」に応じた事業者に一律20万円を支給するとした。

4月7日からの緊急事態宣言の発令時に要請された時短営業のタイムリミットは午後8時で協力金は50万円(2店舗は100万円)だったため、2時間延長されていることを考慮して20万円の設定となった。小池知事は協力金の原資として「国の予備費10兆円の活用をお願いしたい」として交渉を行う方針だ。

協力金の支給対象は、都のガイドラインを順守する「感染防止徹底宣言ステッカー」のある店舗に限られる。小池知事の肝いりで作製された虹のマークが特徴で、都は条例改正(8月1日施行)で「ガイドラインの順守、店舗などへのステッカーの提示、都民によるステッカー掲示店などの利用」を義務化した。

都はステッカーの普及率アップへ、日本相撲協会の協力を得て、現在開催中の大相撲7月場所(東京・両国国技館)で今日31日から8月2日の千秋楽まで3日間、幕内の取組前に「懸賞旗風」にデザインしたステッカー旗を賞金旗とともに土俵1周させてPRする。ちなみに懸賞金(1本7万円、勝ち力士支給額6万円)はなし。

小池知事は会見で「感染拡大警報」のボードを掲げてきたが、今回は新たに「感染拡大特別警報」と特別の2文字を加えたが、飲食店の時短営業要請で再拡大するコロナ禍に歯止めをかけられるか。「状況が悪化すれば都独自の緊急事態宣言を出すことも」と新型コロナウイルスとの攻防戦で徳俵まで追い込まれようとしている。【大上悟】