今年6月に第58期十段戦を制し、囲碁界史上最年少で3冠となった芝野虎丸十段(名人・王座=20)の就位式が21日、東京・市ケ谷「日本棋院」で行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から簡略化。1~2時間は要するホテルでのパーティー形式ではなく、允許(いんきょ)状、賞杯、賞金目録の授与など、式は10分で終了した。

芝野は、「コロナ禍で対局が3月から6月まで中断されて大変だったが、打てて楽しかった。手応えや収穫、反省も多かった。これをいい経験にして頑張っていきたい」と謝辞を述べた。

芝野は、昨年10月に初タイトルとなる名人、同11月の王座に続き、たった8カ月と囲碁界史上最速での3冠獲得となった。1976年(昭51)5月の碁聖獲得後、十段、本因坊と奪取した故加藤正夫名誉王座の1年1カ月を上回る。また、20歳7カ月、プロ入りから5年9カ月での3冠は、「史上最年少」「史上最速」。井山裕太棋聖(本因坊、天元=31)の23歳1カ月、プロ入りから10年3カ月の記録を更新した。