AI(人工知能)技術を駆使した1人乗りの自動運転ロボットが実用化され、今秋から一般向けのサービスをスタートする。

自動運転ロボットなどを開発する「ZMP」(東京都文京区)が人通りの多い東京駅周辺などで実証実験を重ねた電動式「ラクロ」を商品化した。東京・中央区佃のタワーマンションの地下駐車場に配置され、運用されることが決定した。

ラクロは全長118・8センチメートル、全幅66・4センチ、全高109センチのコンパクトサイズだ。約1時間の充電で4時間以上の走行可能で歩道を通行する。座席前のタブレットにコンビニ、スーパー、郵便局などの行き先や散歩コースなどをタッチすれば、自動運転で目的地に移動し、出発地点に帰る。

AI技術で人や障害物を避けて走行する。段差や坂道、信号、横断歩道などを認識し、時速4キロ前後(最高時速6キロ)の歩くスピードに制御した上で「人などの急な飛び出しにも自動停止する」(ZMP西村明浩取締役)。料金は月額乗り放題1万円、または10分370円(ともに税込み)を予定している。

高齢者は運転免許の返納や身体の衰えなどで移動手段が大きな課題となっている。既存の電動シニアカーは誤操作よる事故やトラブルで訴訟となったケースもあるだけに自動運転ロボは高齢者にとって日常生活の大きな支えとなりそうだ。【大上悟】