アニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)が、16日の公開初日から3日間で興行収入(興収)46億2311万7450円、動員342万493人を記録した。配給のアニプレックスが19日、発表した。同社によると、3日間の各日の興収、動員は平日、土日のいずれも、日本国内で公開された映画の興行収入と動員の歴代1位の記録だという。わずか3日で興収100億円の大台の半分近くまで稼ぎ、ロケットスタートならぬ“鬼スタート”となった。

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「鬼滅の刃」ファンの間では、聖地巡礼も盛り上がりを見せている。原作者の漫画家・吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏は福岡県出身とされており、九州にある3つの神社が「聖地」として注目され、家族連れで多くの人が訪れている。3つの神社に共通しているのは、主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)と同じ「竈門」という文字があることだ。

縁結びの神様として人気の福岡県太宰府市にある宝満宮竈門神社は、600年代に大宰府政庁の鬼門封じとして建立されたことや、金剛兵衛という刀鍛冶の墓があることなどから話題となった。昨年11月ごろから参拝者が増え、絵馬に好きなキャラクターを描く人が急増。奉納された絵馬の数は昨年の倍以上だ。

主人公が「溝口少年」と呼び間違えられるシーンなどから注目を集めたのは同県筑後市にある溝口竈門神社だ。作中で出てくる技に似た彫刻もある。ファンからコスプレ撮影会に利用させて欲しいとの問い合わせもあるという。

大分県別府市にある八幡竈門神社は、平時の参拝客20人から、鬼滅効果で17~18日の間で約1000人が訪れたという。漫画で主人公が使う技の背景に出てくる龍が、拝殿の天井に描かれている龍と似ているなど、こちらにも関連を思わせる描写が多々ある。

それぞれ、作品にゆかりのある聖地として確証はないが、3つの神社の担当者とも「神社のことを知っていただけた」と、コロナ禍で観光業が苦しむ中、参拝客が多く訪れる鬼滅効果に感謝した。【佐藤勝亮】