里見香奈女流名人(清麗、女流王位、倉敷藤花=28)が12連覇を果たした。将棋の第47期岡田美術館杯女流名人戦5番勝負第3局が7日、千葉県野田市の「関根名人記念館」で行われた。対局は午後3時51分、106手で里見が挑戦者の加藤桃子女流三段(25)を下して3連勝で防衛した。

もう後がない先手加藤の攻めを冷静に受け、攻勢に転じる。徐々にリードを広げて勝利を手にした。「きっちり読み切れた。ホッとしています」。

これでタイトル獲得通算43期(女流名人12、清麗2、女王1、女流王座4、女流王位6、女流王将7、倉敷藤花11)。歴代1位であこがれの清水市代女流七段(52)の記録(女流名人10、女流王将9、女流王位14、倉敷藤花10)に肩を並べた。

現在、西山朋佳女流3冠(女王・女流王座・女流王将=25)とタイトルを分け合う。その西山に昨年の女流王座戦5番勝負に挑戦して2勝1敗としながら連敗。逆転負けを喫した。悔しさをバネに今回臨んだ。

例年通りの進行なら、春に女流王位戦5番勝負で新記録がかかる。「技術的にまだ力が不足している面も感じている。埋められるようにしていく」(里見)。防衛できれば「清水超え」。文字通り女流トップとなる。【赤塚辰浩】