将棋の最年少2冠、藤井聡太王位・棋聖(18)が豊島将之叡王(竜王=30)への挑戦権を目指す、第6期叡王戦八段予選決勝、広瀬章人八段(34)戦が9日午後7時から都内で始まった。

振り駒の結果、先手は藤井で先手2六歩、後手広瀬後手8四歩と、お互いに飛車先の歩を突いてスタートした。

藤井は本年度最初の対局となる。昨年度は2冠を獲得して初の最優秀棋士賞に輝いた。成績も44勝8敗(勝率8割4分6厘)で、勝数と勝率で1位。4年連続の勝率8割超えは史上初だ。昨年度から公式戦17連勝中でもある。

対する広瀬は、この日午後2時からの準決勝で糸谷哲郎八段(32)を下して勝ち上がってきた。

両者の対戦成績は過去、藤井の3勝1敗。初顔合わせとなった18年2月の朝日杯決勝で勝ち、15歳6カ月の史上最年少で公式戦初制覇を果たしている。翌年、渡辺明王将への挑戦権を争った王将リーグでは敗れたものの、昨年の王将リーグ、今年2月の竜王戦2組準々決勝と連勝している。今局を白星で飾って、八段予選を突破し、本戦進出を決めたい。

叡王戦は昨年10月、第6期から日本将棋連盟と不二家の共催となることが発表された。四段~九段までそれぞれの段位別予選を行い、四・五段は各1人、六・七段は各2人、八・九段は各3人が本戦に進出。前期本戦ベスト4の永瀬拓矢王座、渡辺明名人、青嶋未来六段、佐々木大地五段と計16人によるトーナメントを行い、勝者が豊島叡王との5番勝負の挑戦者となる。

すでに四段は井出隼平、五段は古森悠太、六段戦の1枠目は都成竜馬が予選を突破し、本戦入りを決めた。3枠ある八段予選の突破一番乗りを藤井と広瀬が争う。

持ち時間は各1時間の短期決戦。同日夜遅くには決着の見込み。