藤の花で、鬼もコロナも寄せ付けない!? 日刊スポーツでは「パワーアップ2021 上向きニュース21選」と題した企画で、気持ちが高まるパワーアイテム、ワードなどを紹介しています。

第9回は、東京・亀戸天神社の「藤まつり」。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。2年ぶり開催の初日となった17日、人気アニメ「鬼滅の刃」で人を食う鬼が嫌う花として描かれたことで、子どもたちもなじみ深い魅力に酔いしれた。

 

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東京一の藤の名所。江戸時代から「亀戸の5尺藤」と呼ばれ、約1・5メートルの長い花房は見事だ。50株を超える紫色の藤棚、真っ赤な太鼓橋、コイが優雅に泳ぐ心字池とのコントラストも印象的。東京スカイツリーを含めた“映えスポット”でもある。

「鬼滅」の作中では、主人公の竈門炭治郎が鬼殺隊になるために鬼と戦った舞台が、藤が咲く藤襲山(ふじかさねやま)だった。蟲柱(むしばしら)の胡蝶しのぶは、藤の花から抽出した毒を使って鬼を倒す人気キャラクター。最近は胡蝶しのぶのコスプレ姿で訪れる人もいると言う。この日も紫色の着物やワンピースの来訪者もいた。

亀戸天神社の担当者も「そういうことも含めて神社に親しみを持っていただけることはありがたい。悪いことだったり、コロナを防ぐ思いにつながれば良い」と話す。優しく揺れる花房、甘い香りなどを五感で満喫。「ひとときの安らぎを感じていただければうれしいです」。密を避けるために催し物やライトアップは実施されないが、都心の静寂は心も落ち着く。藤の花よ、咲き誇れ。

【鎌田直秀】